物事の流れをせき止めている箇所、「ボトルネック」。全体から見れば小さな箇所かもしれませんが、そこのせいで、うまく物事が進まないことありますよね。小学生の学習にも存在するボトルネックを紹介します。
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難易度の高い試験を受けるにせよ、しっかりと自立していきていくために働くにせよ、アカデミックの世界で身を立てるにせよ、大切な姿勢があります。
各種問題に当たる際に、その構造に意識を向けることです。
「構造への思考」「モデリングの思考」と言い換えてもいいものです。
表層的な事象の集合から、その物事全体の仕組みを解き明かそうと考えることです。
「車が多い」という表面的な事柄だけでなく、流体力学等を駆使して道路が渋滞する仕組み(モデル)を考えたり、
もっと日常生活で考えれば、毎回汚れが目立つ床があれば、なぜそこが毎回汚れるのかその仕組み(モデル)を考える思考回路です。
何か問題ごとにあたった時に、仕組み・構造を考えようと思考を巡らすことができる人間と、そうでない人間の問題解決力は雲泥の差があります。これは、大人に限らず、小学生でも見られるところです。
で、ボトルネックの話なのですが、
小学生に対して「問題の構造に目を向けられないのはボトルネックだ。目を向けろ!」というのは、
「氷の上を歩く時は滑るので気をつけるべし」と言ってるのと同じで、「そりゃそうなんだけど、だから?」という話です。
何も言っていないのと同じです。
今日紹介したいボトルネックは、「それじゃあ構造化の思考はなかなか身につかないよ」というものです。
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数字を変えたら、問題が解けなくなる
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まあよくある話なのですが、これが構造化思考・モデリング思考がまったくできていなく、
その芽すら出ていない状態を表すシグナルだというふうに捉えられている指導者・保護者は少ないです。
れっきとした、「学びのボトルネック」です。
例えば算数ですが
234123412341・・・・・・
という数列があり、この100番目の数はいくつですか?なんていう問題ですが、
この問題の解説を受け、分かったつもりになり、
今度は、
67893678936789367893・・・・・
という数列になると、問題が解けない生徒がいます。
この問題は決して「2341が並んだ数列の100番目を求める問題」ではなく、
「全体の仕組み・法則を捉える問題」です。
(1から100までを足し合わせた数はわかるけど、101から200だとわからないというようなのも同じように構造に目が向いていない証拠です。)
いろいろな教科で多種多様な問題にあたる中で、ほんの少し数字が変わっただけ、ほんの少し質問のかたちが変わっただけで間違えるのは、「おっちょこちょい」や「ケアレスミス」ではなく、「構造への思考」の芽が出ていない証拠です。強烈なボトルネックです。