【自由研究】思考の進化

2019年度 第37回全国小中学生作品コンクール 全国小学生理科研究協議会会長賞受賞

2019年度 東京都小学生科学展 東京都知事賞受賞

『発芽の力グランプリパートⅡ』 橋本龍之介くん

 

今回も取りましたね。まずはおめでとう!!

夏休みのどこかでこのロジムっ子と自由研究の内容について検討会を開くのはすでに恒例行事と化している気がします。彼が仕上げた自由研究は小2で発芽の力、小3で地下鉄の風の強さ、小4で坂道のすべり止めについて研究し、小5の今年は発芽の力に戻ってきました。

彼の興味関心は多岐に渡るため、恐らく普段の家族間の会話はあっちこっちに話題が飛び散っているのでしょう。そんな話題の中から「とりあえずやってみよう」と動き始める姿勢は大したものです。昨年の記事にもこの話は載せていますのでご覧ください。

今年度の自由研究について龍之介くんと最初に話したのは実は2019年1月13日。東京都小学生科学展の研究発表会の帰り道でした。来年は何をやろうかね~?やっぱり宇宙系をやりたい?でもそれにしてはまだまだ数学的な知らないことが多いからね。今回(昨年)の実験のデータも本当は割合で考えたほうが分かりやすい部分もあったし。アメリカの女の子は自分でハローキティを打ち上げ(?)てるからできないことはないと思うけど。などなど話しながら帰っていました。

その後実際に今年度の自由研究を決めたのは4月頃だったでしょうか?ここはうろ覚えですが、その時に言っていた言葉は印象に残っています。「昔にやったものを今の自分が考えたらどう変わるのかも知りたいと思った」のだそうです。

小学2年生時の作品。 この頃は、「アスファルトを突き破る植物」=「力もちの植物」でした。

そして今年度の作品。 今回は「突き破る」=「すり抜ける」×0.7+「力もち」×0.3  目線が変わっています。

継続研究とも違う、あえて呼ぶなら「ふり返り研究」とでもなるのでしょう。やってみると過去の自分の至らなさに気づき、着実に自分が進化していると感じることができるので、自信にもつながるでしょう。このような研究は珍しいかつ、比較するということ自体が研究では重要視されるので、研究発表の展示会場に並べて置いてありました。

研究発表で使用したパネルがこちら

普段理科を教えている先生としてのコメントを入れておきます。

結果を受けた考察が教科書的な理科から半歩ほど飛び出しかけています。複数の先生と話したり、専門家の話を聞いたりして出した考察なので当然と言えば当然なのですが、教科書的な内容を超えていくことは極端に難しいことでもあります。この先の考察に対する実証実験などを始めたら、ひとつ上のフィールドです。視野が広がり、研究手法も増やしていくことができるでしょう。そんな研究の内容を一緒に話せることを楽しみにしています。

 

今回の東京都小学生科学展はなかなか興味深い研究内容が多くて楽しめました。個人的に興味深かった『アカモズの巣づくりに関する研究』『コンピュータから、色を伝達するしくみについて』については研究内容が公表されたら読み込んでみようと考えています。

みなさんも自由研究に限らず、何かしら興味のある事柄が出てきたらとりあえず動いてみてはいかがでしょうか。すでに動き出している人たちが集まっている場所へ行ってみることは、はじめの一歩として大いにありですよ。

もちろん2020年度の自由研究についても、ちょっと本気を出して調べてみたいことがある人がいたら辻川にぜひぜひ声をかけてくださいね。