中学受験 午後入試の心構え

 ここでは、2月から始まる東京都の中学入試、特に午後入試の考え方についてお伝えしていきます。

①午後入試は必須か?

 結論はNOなのですが、選択肢が増えるという意味ではありがたい入試です。以下、検討事項と午後入試を実施する際の注意事項をお伝えします。

②午後入試の検討にあたって

 まず気になるのは子どもの体力面かと思います。しかし、今までの経験上、子どもの「疲れた」は家族ならではの甘えであることが多く、本当に体力的に限界となることはほとんどありません。

 考えなければならないのは、各学校の志望順位です。志望順位の高い学校が午後入試を実施している場合には、可能性を増やすという意味で受験を検討するべきですし、次善の学校候補として挙がっている場合にも検討が必要でしょう。問題は抑え校(ここなら合格できるという学校)をどのように選択していくかです。

 各学校が複数回の入試日程を用意していることが標準となった昨今、第一志望校群の日程をすべて受験する想定でいると、抑え校を受験するスキマがなくなってしまいます。そこで、午後に入試を行っている学校の中から「ここなら行きたい」という学校を探していくこととなります。この作業は、6年生の夏休み前には行っておきたいですね。そのうえでぜひ調べておきたい情報があります。

③チェックしておきたい情報一覧

・入試形態(試験科目) むしろここから調べ始める場合が多いかもしれません。午後入試は2科目入試(国算)である場合が多く、2科選択入試(国算社理から2科目)や1科目入試も増えてきました。得意な科目だけで戦うのであれば、4科目トータルの実力よりも高い学校を考えることができるなどと作戦の幅が広がります。

・試験開始時刻に間に合うか これは最優先事項だと思われていることが多いですが、実はそうではありません。当然、間に合うかどうかを調べることは重要となります。しかし、午前の受験校が遠いなど、場合によっては午後の受験校に相談をすると個別に試験時間帯を調整してくださる学校もあります。ですから、間に合うかどうか調べる→難しそうな場合には学校に問い合わせるという流れをセットにして動くとよいでしょう。

・問題の傾向 志望順位の高い学校であれば、合格するための対策という意味で必要です。そうでない場合にも、志望順位が高い学校と出題傾向が似ているかどうか、特別な対策が必要かどうかは選択するうえで非常に大きな要素となります。

・受験スケジュール全体の中での立ち位置 例えば、第一志望校の入試日程が2月3日で、次善校の日程が2月1日と3日、次善校1回目の結果が1日の夜に分かる。といった場合など、1日午後の受験があった場合、その結果を踏まえて3日の受験校を決定していくこととなります。

④試験当日

 まず午前の受験校から時間的に余裕がある場合、家に戻ることは避けた方がよいでしょう。家に戻ると気が抜けてしまうので、よいことはありません。午後の入試会場には、ほとんどの場合には保護者同伴可能な待合室が用意されており、そこで食事も勉強もすることもできますので、早めに会場に行くとよいでしょう。

 逆に時間的な余裕がない場合、極論、「遅刻してもいいや」くらいの心持ちでいるようにしましょう。遅刻しないように気をつけるのは当然として、そのために走るなどとする必要はありません。

 午後入試の終了後ですが、受験をこなした本人たちはほぼ確実に「疲れた」と言います。そして”ある程度”は事実ですが、だからゆっくり休ませるとは考えなくてよいです。すぐに切り替えて、次の日以降の受験に目を向けてもらいましょう。