【自由研究】うまくいかないことがあっても隠さないほうがいい

第63回日本学生科学賞(東京都) 奨励賞受賞

『カーブと脱線について』 河野陽太くん

 

この子の質問は突然でした。履歴を見ると8/27とのこと…。夏休みがもうすぐ終わるじゃないか…。

その時は、質問事項に等加速度運動の各種公式が載っているので違和感を感じたまま質問に答えていました。

あとで本人から聞いた話によると、学校の先生から「力学的な公式を活用できる研究」をするように指定されていたそうです。彼は現在中学2年生。力学的な公式はまだ学習していない。無茶振りもいいところですが、先生としては力学範囲の予習を夏の間にやっておいてほしかったのでしょう。

そんな先生たちの思惑は全く関係なく、学生時代の研究として優れているかどうかは「研究動機」によってほぼ決まります。簡単に言うと興味があるかどうか。自由研究でも論文でも冒頭に動機・背景を書くものなのですが、色々な言葉で飾っていても「知りたいから」調べているという研究は見たら分かるし、そういった研究は読んでいて楽しいです。

彼の考察(抜粋) 「諦めました」が何ともいい味を出しています。よい試行錯誤になっていますね。

予備実験扱いになってしまった実験で、本実験をするために「何とか模型を脱線させてやろう」という工夫になっているところがいいですね。走らせてみて「え~脱線しないじゃん…」と、ぶつくさ文句を言っているところが想像できて微笑ましい限りです。

このトロフィー、持たせてもらいましたが、なかなかの重量感でした!

おめでとう!!!