長い年月を経ても出題され続ける”レジェンド問題”を紹介します。多くは過去の入試問題であり、出題者から受験生への強いメッセージがこもった良問たちです。

下のグラフは2002年の日本の各地方の耕地面積と農家数をあらわしたものです。 北海道の農家の農業形態について考えられることをかきなさい。

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「北海道は、他の地域に比べ農家数に対して作付面積が大きい」ではグラフを見たままですね。この問題では「そこから考えられること」を仮説として構築できるかが問われています。

北海道は、他の地域に比べ少ない農家で、広い面積を耕地として利用している。このことから、北海道では大規模に機械をつかった効率的な農業をおこなっていると考えられる。

グラフを読むコツは、「全体として傾向をつかむ」「特異点(目立つところ・他と違うところ)に着目する」ことです。
本問の場合、経年変化のグラフでもなく、また全ての地域においてデータに特色があるわけではないので、全体の傾向はとくに見出せないと思います。目立つところとしては、問題になっている北海道の耕地面積と農家数の割合ですね。
ヒントに書いたように、北海道が他地域にくらべ、少ない農家で広い場所を農家利用していることは、グラフをみれば一目瞭然です。これは、ある意味、慣れていれば「だれでもわかる」ことです。
ここで、「この差はなぜ?」「なぜ北海道の農家の人はそんなことができるの?」と、「思考開始の合図」となる「?」を頭に思ういかべられるかが、こういった記述問題正解への鍵となります。
さらに、この「なぜ?」を考えるべく、選択肢をあげます。ポイントは、まず網羅的に選択肢を上げることです。この段階では、現実感よりも1人でアイデアを膨らますことを意識すべきですね。
たとえば、
「北海道の1つの農家で農業に従事している人間の数が著しく多い」
「北海道の農家で働く人は、とりわけ農業に習熟しており並外れた能力をもっているため、効率的に耕作ができる」
「北海道では大々的に機械を農作業に取り入れており、効率的に耕作ができる」
でてきたアイデアからもっともありえそうなものをえらんで、本問の解答とします。
この「議論や思考を広げるために、ありえるアイデアを網羅的にあげる」という作業は大人になるとブレインストーミングなどといって、物事を考える際に最初に行う作業ですね。小学生にもその能力とスキルは求められているのです。
グラフを読むコツは、「全体として傾向をつかむ」「特異点(目立つところ・他と違うところ)に着目する」ことです。