2023年 聖光学院 算数|読解力で差がつく入試問題

(3)3点P、Q、Rが移動を開始してから5秒後の3点の位置をそれぞれP5、Q5、R5とし、8秒後の3点の位置をそれぞれP8、Q8、R8とします。直線P5Q5とP8R8の交点をX、直線P5R5とP8R8の交点をY、直線P5R5とQ8R8の交点をZとします。このとき、直線AR5の長さは8とcmなります。

①三角形P5XYの面積は何㎠ですか。

②直線YZの長さは何cmですか。

図がない図形問題は「読解力」で差がつく

中学入試では、文章の意味を正確に読み取り、書かれていない図形を自分の手で再現できるかどうかが大きな差になります。特に聖光学院の算数では、図が与えられない形式の問題が頻出し、「読めているかどうか」がそのまま得点に反映されます。

2023年の聖光学院の算数では、図が一切ない状態で、求めたい図形の情報がすべて文章のみで与えられる問題が出題されました。大学入試の共通テストでは一般的な形式ですが、中学受験生には負荷の高い読解を要求します。

文章自体は決して長くありません。しかし、文章の指示を順番どおりに処理し、そこから図形を立ち上げる作業の中で、多くの受験生がつまずきます。

図のない図形問題で最初に試されるのは「計算力」ではなく、“読んだ内容を正確に保持したまま作業できるか”という読解の基礎です。

  • どの長さがどこに書かれているのか
  • どの角度がどこを指しているのか
  • 文章の順番どおりに作業できているか

これらを正確に読み取れなければ、そもそも作図ができず、小問すべてを落とす致命的な失点につながります。
ロジムでは、試験中に繰り返し伝えている原則があります。
「計算の見直しよりも、問題文の見直し」
図形問題では特にこの原則が重要です。どれほど計算が正確でも、読解を誤れば“最初から別の図形を解いていた”という状況が本番で起こります。

文章題を「読めたつもり」で進めると、図形の位置関係・長さ・角度のいずれかがズレたまま計算に入り、途中式まできれいでも答えがまったく合わない、という典型的なミスになります。

文章を図に変換する技術

この問題形式で問われているのは、以下の3つの読解技術です。

  1. 本文の条件を正確に読み取る(全文を読む)
  2. 読み取った条件を保持しながら次の作業へ進む(ワーキングメモリ)
  3. 文字の情報を図として再構成する(図式化)

この3つの技術が揃っていないと、図のない図形問題は成立しません。

ロジムでは、算数や理科の授業でも「与えられた文をどのように図式化するか」という読解技術を徹底し、“線を引きながら・メモをとりながら読む”練習を日常的に行っています。


(1)全部読まない:飛ばし読みだけでなく、主語、係り受けを読み飛ばす
(2)条件を忘れる:与えられた指示や前提情報を忘れてしまい、作業でミスをする
(3)言い換えられない:同じ意味の日本語に変換できずに、違う言い方をされていることに気づけない。違う言い方をできない。
(4)想像できない:文字で表されている物語を映像的にイメージできない。
(5)数式化・図式化できない:文字で与えられた情報を算数語である式や図に変換できない