【雑談】自由研究の成果報告と辻川からのお誘い

2018年度の「全国小・中学生作品コンクール」のまとめと講評がか発表されたと教えていただき、改めて全体像を見てみました。

自由研究のテーマとして大きく2つに分かれる傾向があります。

ひとつは(理科講師にとっては)よく知られている研究、もうひとつは見たこともないような研究です。

よく知られている研究ほど隙が少なく洗練されており、見栄えもよいです。しかし、だからこそ目的をはき違えてしまっているご家庭、指導者が多いことを残念に思っています。

誰が見ても素晴らしいものだから賞が取れると思ってその研究を選んでも賞は取れません。だって審査員は「この実験見たことある」と思って真新しさを感じませんし、審査員の中に含まれる教育の専門家は「この研究、〇〇っていう実験教材に載ってるよね」と知っているからです。つまり下心を見透かされてしまいます。

そのような研究を再現することは、研究の視点や手法をケーススタディとして学ぶためには非常に適していますが、自由研究で大切にしたい「気になったから調べる、確かめる」という観点から大きく外れていってしまいます。

その点、うちの子は違いますよ!誰でも持つことのある些細な疑問をお母さまが華麗にキャッチアップ!じゃあ調べてみようと「表面上」軽いノリで手を出してみる。今回はある程度形になった段階で僕の所へ相談に来てくれました。実験の手法やデータの使い方などいくつかアドバイスはしましたが、それを改めて形にしたのはやっぱり本人です。その成果と講評は全国小・中学生作品コンクールのホームページで確認できますので、興味のある方はこちらから→http://www.child-lab.com/sakuhin/index.html

抜粋したスクリーンショットを以下に載せておきます。

全体の総括。小学生と中学生の作品の中から賞を選ぶコンクールなので、小学生にとっては少しハードルが高い。

そしてその中で最高の賞をいただきました!

全国中学校理科教育研究会会長賞以外はみんな小学生ですね・・・。わざわざ総括で書くほど明らかに質の差があったのでしょうか。それにしてもそんな優秀な作品の中からトップをとれたことを誇りに思います。そんな彼の作品の講評はこちら。

集めたデータの実物を見ればわかるのですが、審査員たちの印象が「根気と努力」この言葉に集約されています。

ちなみに同作品を別の科学展(東京都小学生科学展)に出したときには京都大学名誉教授の上野健璽先生に以下のような講評をもらっていました。(こちらでは次点でしたが賞をもらっているので、一般的に評価される作品であることが分かります。)

「最強のすべり止めを決定するために、すべり止め斜面を自作し、条件を統一してデータを緻密に集めていました。決定するために専門家の意見を聞いていることもすばらしいと思いました。この結果がよりよい街づくりに役立てられたらいいですね。」

上野先生は数学者です。その先生に「条件を統一してデータを緻密に集め」と評されるのはすごいです!

 

他にもスーパーサイエンスハイスクールに通っているロジムっ子が行った「室温で安全に行えるヨードホルム反応の実験手法の開発」(現高3)から始まり、今年度に実はコツコツやっていた美術大学進学志望のロジムっ子(現高3)とのやりとり、3Dプリンタをキットで作成し、それで立体模型をつくる(現中3)などなど、ロジムでは個人的にものすごい楽しめるやり取りが多いです。

まだまだ「辻川とそこまで仲良くないし・・・」や「ロジムは塾だから授業内容以外の相談は気が引ける」などといった理由で自分の興味関心について話をしてくれていない子が多いはずです。そこでタイトルにある通りの「お誘い」。数か月~1年スパンでやってみたいことがあったら是非是非辻川までご相談ください。一緒に面白いと感じることで試行錯誤しながら、どこにあるかわからない才能の芽を探してみませんか?「表面上」の軽いノリが子どもたちに行動を起こさせるものです。