国語読解教室へようこそ 2

登場人物の心情は、
①登場人物の言動
②風景
などに言いかえられています。

①からおはなしします。

登場人物はその心情に基づいて、
会話をしたり、行動をしたり、表情をかえたりしています。
たとえば、
ぺらぺらしゃべっていたら、うしろめたい気持ちですし、
くちびるをかんでいたら、くやしい気持ちですね……。

中学受験国語のお約束ごとなのですが、
「~の気持ちを説明しなさい」という問題に対して、
気持ちだけを書いても満点はもらえないことになっています。
(もちろん、字数をみれば気持ちだけではないなとわかりますが……)
では何を書けばいいか。
そうです。「できごと」です。
【できごと+心情】が心情の記述の基本形になります。
「できごと」を書いた上で短い心情語でしめくくるのです。

この【できごと+心情】にはいろいろなバリエーションがあります。
たとえば、「できごと」が長いパターンがあります。
平成13年度桐朋中/大問二/問七(2)/内海隆一郎「絹糸」
などがこれにあたります。
これは本文全体をほとんど要約することになります。

また「心情」がどうにも書けないというパターンもあります。
平成19年度雙葉中/大問一/問四:佐藤さとる「デンキの話」
などがこれにあたります。
これは書きにくい心情ですね。
このようなとき、知っている心情語に落とし込もうとするのは
危険です。
では、どうしたらよいか。
このようなときに有効なのが
ぼう線部の前後の「できごと」をていねいにひろって書く
という手法です。
つまり、「できごと」の要約ですね。
なぜこれでいいのか。理由はおわかりですね。
「心情」の言いかえが「できごと」だからです。

こうしてみると、
心情を読み取るという作業は、
「できごと」の要約といっても過言ではないですね。

このつづきは、次回……。