能力とやる気2

さて、先週の続きです。
とその前にひとこと断りを入れておくと、
竹村は心理学をきちんと勉強したことは一度もありません。
先週の内容も今週の内容も以前何冊か基本書のたぐいを読んで
なんとなく自分で考えたことを並べているだけです。
以下、それをふまえた上でお読みいただければと思います。

「意志」と「能力」の境目は実はかなり微妙なのではないか。。。
というお話をしたのですが、じゃあなぜ微妙なのか。

そもそも、いわゆる「能力」も「意志」も両方脳の機能です。
もっというと、脳みその働きによるものは全部
すごく高度で適応的な機能です。
認知も生命維持も記憶・学習も思考・判断も感情も
身体の操作も狭い意味でのモチベーションも全部そうです。

脳の機能というのはそういった様々な機能が
複雑に絡み合った総体です。
先ほどのモデルでは、そのなかから一部のみを
はっきりした定義もなくすごく原始的な感覚で選び出して
「能力」と「意志」にグループ分けしています。
だから、曖昧さが生じてしまうのだと思うのです。
そのため、モデルとしてはあまり信用できないものとなります。

そして、ここから前回の第二の理由になるのですが、先ほどのモデル
を使って考えると、すごくだめな行動を生みやすいのです。

能力×エフォート=パフォーマンス

という式で、自ら直接いじれる数値がエフォートだけであれば、
能力を高める(あるいは低いこと隠す)最も有効な方法は
エフォートを0に近づけていくことです。

つまり、努力しない。この場合努力はしなければしないほど
効率的です。同じパフォーマンスなら、エフォートが少なければ
少ないほど能力が高いと推測されるからです。

ティーンエイジャーやそれよりやや若い子どもにとって、
友人と自分の能力はとても重要な関心事なので、
短期的には合理的な子どもはエフォートを減らす
(少なくともエフォートが低いことを宣伝する)
戦略をとります。しかし、長期的に考えたときにその戦略が
全く合理的でないのは火を見るより明らかだと思います。

さて、またしても長くなってしまったので来週に続きます。。。申し訳ありません。