こんばんは。竹村です。ついこの間、本棚の片づけをしていたら
ずっと昔に使ったらしい心理学の教科書が出てきました。
結構思ったよりも内容を忘れているものでなかなかおもしろく
ここ数日ちょっとずつ読み返していました。
そして今、今日の日記に書く内容のヒントを探そうと思って
ロジムブログのほかの先生方の記事を読んでいたのですが、
6月30日苅野先生の「私は話せるようになる前から計算していた」というタイトル
を見て、一つ思い出したコラムがあったので紹介してみます。
テーマはずばり、「人間は話せるようになる前から計算が可能なのか?」
赤ちゃんはとても好奇心が強く、変わった刺激を積極的に求める傾向があります。けれども
、おなじ刺激が何度も繰り返されると、飽きてしまってほとんど反応しなくなってしまいます
そんな時またちょっと違う刺激を加えると、また興味を取り戻します。
具体的には、なにか物を見せたときにじーっと見つめる時間の長さで
どのくらい興味を持っているか調べるわけです。
そしてここは少し説明を省いてしまうのですが(ごめんなさい)、その延長で赤ちゃんは予想していた
結果と違う結果が出ると、びっくりしてじーっと見つめる傾向があります。
さてさて、そこで1992年、ウィンさんという学者さんがこういった傾向を
利用して赤ちゃん(0歳5ヶ月)の計算能力を調べようとしました。
まず、赤ちゃんの前にちっちゃな箱の劇場が出てきます。
次にそのステージに人形をひとつ、置きます。
すると、舞台下からスクリーンが立ち上がってきて赤ちゃんから
人形が見えないようにしてしまいます。
最後に舞台の横からにゅるっと手が出てきてまたもう一個人形が
スクリーンの裏に差し込まれます(この人形が差し込まれるところは
赤ちゃんからちゃんと見えます)。
ここから、実験は二通りのルートをたどります。
(正しい答え)のルートではスクリーンを外すと、裏から人形が二体出てきます。
(間違った答え)のルートでは、スクリーンを外すと、裏から一体しか人形が出てきません。
つまり(正しい答え)では1+1=2、(間違った答え)では1+1=1
の状況を赤ちゃんの前に出したことになります。
さて、赤ちゃんはどう反応するでしょうか?
実は、(間違った答え)のほうがより見つめる時間が長いのです。
ということは、(間違った答え)の方が「予想外」だったことになり、裏を返せば
(正しい答え)を予想していたことになりますね。
この結果から、ウィンさんは5ヶ月の赤ちゃんでもすごく簡単な
足し算や引き算がなんらかの形で可能なのではないか、と考えました。
びっくりな結論ですが、もしかしたらみなさんでも
「私は話せるようになる前から計算していた」といって
嘘ではないかもしれないです。
そういう意味では、実はみんなガウスを同じ才能を持っているのかも!?
なんて考えると、ちょっとうれしい気分になりますね。