学びのボトルネック01  「てにをは」について

物事の流れをせき止めている部分を瓶の首に喩えて、ボトルネックといいます。「制約」の意味で使われたり、遅延・失敗の要因となる部分の意味で使われます。瓶(ボトル)がどんな大きさだろうと、流水の勢いや量はその首の部分により決められてしまいます。

学習にもこのボトルネックが存在します。
「そこですよ!そこ!気づいてないかもしれないけれど、そこがボトルネックになってますよ!」
というところです。そんな、授業現場でよく目にする「学びのボトルネック」を紹介していこうと思います。
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 『てにをは』を間違って読む 
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国語の授業で音読の時間を設けています。その中で、
「太郎君には、」の『には』を『が』と読み違えたり、
「次郎くんに、」の『に』を『へ』と読み違えたり、
「クスクス笑う」を「クスクスと笑う」と読み換えてしまう生徒、時々います。

これは実は重大な「学習のボトルネック」です。
「自由にのびのび勉強」が大ブームになっていますので、ついつい「意味は大体あってるし、やる気を削いではいけないからまあいいか」と見過ごしてしまう大人が多いですが、これを細かく直していかないと、文章を意味のまとまりで読めるようになるのにとても時間がかかります。

「てにをは」の間違いは、文を意味のまとまりである文節で捉えていなく、単に文字や目に付く単語が連なったものであると捉えて、字面だけを追っている証拠です。これでは、文の意味はとれるようにはなりません。

算数が苦手な生徒で、立式や算術での間違い以前に、問題文で問われていることの意味がとれていない生徒がいます。そういう生徒の多くは、音読で「てにをは」を読み違えます。文章を読む根本的な姿勢ができていません。

主語につく「が」と「は」の使い分けを厳密にしろということではありません。どちらを使うか迷った挙句に間違えるというのは、少なくとも意識がそこに向かっています。大丈夫です。言いたいのは、「てにをは」の「読み違い」には敏感になってくださいということです。文章を文節で捉えられていないことのサインです。

お子様の音読、気をつけてみてください。「てにをは」読み違いは細かく直すべきです。
そこに学習のボトルネックがあります。