スクールミーティングメモ

10月23日に実施したロジム・スクールミーティングのミーティングメモをこちらで紹介します。数回実施の後、スクールミーティングの専用ページを作成予定です。(次回は12月4日(水)開催予定です)
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学校・塾、いずれの教育現場でも一番の問題点は、それが専門職である講師と、生徒たちの閉じた世界となっていることではないでしょうか。ビジネスやアカデミックの最前線で日々社会のニーズと向き合う大人達と、ロジム講師や、教育関係者で、「本当に必要とされる教育」について話し合う場を設けます。

第1回「ロジム・スクールミーティング」を朝の丸の内で実施しました。(2013年10月23日)

■テーマは「話を聞けない小学生」

今回のテーマは「話を聞けない小学生」。自分の意見や立場を他者に表現できない、適切な説明が行えない等、一見アウトプットに関わる問題と思われますが、それが実は「話を聞く」「聞いたものを解釈する」というインプット寄りの問題点であり、ここが学習の大きなボトルネックであるとロジムでは考えています。ロジムから教室で起きている「話を聞けない」状態の事例をプレゼンテーションしました。

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■どれだけ年齢を重ねても「聞けないまま」という人は一定数存在する

まず、そもそも年齢によって「聞く力」に差があるのではないかという意見から、今回基本的には「小学生、とりわけ小学1年~3年」にフォーカスして話を進めることを確認しました。

ただし、その上の年齢において、「単純に年齢が上がるだけではカバーできない部分がある」という点が事例を交えて紹介され、今回、この「加齢ではカバーできない聞く力」について議論を進めるということになりました。

■話を聞けなくなる理由

「子供が話が聞けなくなる原因は、幼少期の親の姿勢にあると感じている。子供が話を聞くべき環境を親が作れていない。たとえば、親が子供の話を適当に聞いて相槌を打っているような状況だったら、子供も自然とそれでいいのだと思うようになるのではないか。」

「いろいろな音、情報が多すぎて、子供が聞こえてきた音に注意しづらい(音に囲まれているせいで何が重要なのかが判断できない)環境になっている」

という参加者の意見が印象的でした。

■「聞く」と「解釈」の関係

次に、単純に話を聞くという行為から一歩進んで、聞いたものを解釈してメモやノートをとれる生徒とそうでない生徒がいる、というトピックに移りました。

当然多くのメモを取れ、整理して書いてあるノートが良いと思われがちですが、「全部メモするの果たして良いことか?全てをメモしている人は結果を残せないことが往々にしてある」という事例が上がりました。

聞いたことを、そのまま写そうと必死になるあまり、自分にとっての重要度を考えながら聞くことができず、翌週には身についていない子が意外にも多いというのです。

■きれいな字は褒められるべきか?

その原因として「きれいに書けば褒められる」と思っている(教え込まれている)子どもが多いのではないかということが話題に上がりました。

学校でも「きれいに書く」ことを指導され、家庭でもきれいな字をを褒められます。逆に、ノートが雑だと必要以上に先生や両親に怒られます。また、授業を行う側も、自らの指導が十分に行われていることを示すために、簡単に矯正できる形式面(字のきれいさ、ノートの整理整頓度合い)に指導が偏る場合があるという議論がなされました。

一方で、社会に出ると常に求められるのは「結果」です。「聞いたことをただ全部きれいに書けばいい」という発想を改善するには、どうすればいいのか、という議論に移りました。

■社会で求められるのは「結果」 どうすれば「結果」に結びつく「聞く」ができるのか

若年層教育の中では、「結果」を重視する場面というのが大変少ない。もう少し「結果」を重視する場面があってしかるべきではないかという話が出ました。そして、単に結果を大事にするというところに止まらず、「結果を出すためには?」という視点から、こどもの行動を評価する機会が必要なのではないかという意見で、一致しました。

■「褒める」にはコツがあるはず

同時に、最近「褒める」ことの大切さが説かれていますが、ただ何でも褒めるのが果たして正しいのかという疑問が投げかけられました。あることで褒めた後は、常に次のレベルを意識して伝えていくことが大切で、同じレベルで立ち止まらないようにしていくために一定のプレッシャーをかけるべきなのではないかという意見がでました。

■評価方法を変えることの副産物? 「聞く力と、生の情報への意識の関係」

「結果」を重視する評価体系の中では、子供たちは「自分は何を書き取るべきか」を自発的に考えるようになるはず。そしてその経験を持つ子供は自然と「書き残されたものが語られたこと全てではない」ということを知ることになる。

そこで初めて、紙面の外にある生の情報、書き取られない情報の存在に意識が向かうことがあるかもしれない。とある人に直接話しを聞かなくては知りえない事があるということに気づくには、まず子供の評価方法を変えることが効果があるのではないか、という意見が出された。

■終わりに

今回、特に会として提言をまとめるという目的はもたず、現場で起きている事例を確認し、それを分類し、その原因について意見交換しました。

各々が新しい視座を得られた会でした。ロジムはその視座・視点を教室運営・教材運営に反映させます。参加者の皆さんは、ご家庭での子育て、また、機会があれば職場でのコミニュケーション効率の向上に役立てて欲しいと思います。

ロジムでは今後も様々な角度からテーマを設定し、社会人の知見を教育現場に反映させる活動をおこなって参ります。

早速12月4日に第二回スクールミーティングを予定しています。次回のテーマは「公教育の外で行われる英語教育について」です。
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