竹村です。
ピーターフランクルさんという方がいます。なかなか
有名な方なので知ってる方も多いと思うのですが
ハンガリー出身の数学者で、大道芸人で、またハンガリー語も含めると
12ヶ国語を話すことの出来るすごい人です。
モットーは「頭と心に財産を持つこと」。
いくつか一般人向けの本も書いていらっしゃるのですが、
今回はそのひとつ、岩波ジュニア新書の『ピーター流らくらく学習術』
のなかから気に入っているお話を紹介したいと思います。
記憶法についての一節なのですが、以下に抜粋してみました。
『ぼくは、人間の脳は、ざるそばの「ざる」のようなものだと思います。
つまり、ざるは粒の小さいものを通します。水は流れてしまいます。・・・
一方、長いそばは、ざるの上にとどまって、落ちません。だから、
そばを食べることが出来ます。
これから言えることは、物事を小さな単位で覚えるのは、なかなか難しいということです。
物事を長く、大きくすればいいということです。ひとつのことを、
いろいろのものと関連させれば覚えやすくなります。
・・・・・・ある人の顔を覚えたいという時には、Aさんの顔と似ている、でも
目が少したれ気味だとか、鼻はBさんと同じだとか、関係させるのです。
さらに、会ったときは五月の真ん中で、日差しががひじょうに強かったとか、
どこの道であったとか、とにかくかなり長い話をその人のまわりにつければ、
それは完全に脳から落ちてしまうことはないのです。それで引っ張りだすことが出来るのです。』
このあと、フランクルさんはその逆の例として単語帳を一日10個ずつ覚えようとして
失敗した経験の話を書いています。
物事を記憶するときに既存の知識と関連付けて覚えると覚えやすいよ、とは
昔からよく言われていることですが、それをざるそばに例えて説明する
なんてなんとも面白いですね。難しい専門用語を使われるよりも
よっぽど印象に残りやすい。
そんなわけで竹村は、物事を覚えようとするときはよくざるそばのこと思い出します。
よかったら今度何かを覚えるときにざるそばのことを思い出してみてください。