パレートの法則は巷では「80:20の法則」と呼ばれたりしています。
80の成果は20の要素が生み出している
という考え方です。
企業の売り上げの80%は上位20%の営業マンが生み出している
トラブルの80%の原因は20%の部分に集中している
など。統計的にある程度の裏付けもあったり、経験から納得感があったりするものなので様々なところで意識されています。
ここで重要なのは
成果の最後の20%を生み出すのには、残りの80%のリソースが必要になるほど効率が下がる
という点です。
勉強に例えてみましょう。
80点取るのに2時間かかったとします。
あと20点高めるのには8時間くらいかかったりします。
それくらい効率が下がるということです。
この効率性の話って、今の働き方改革の議論の中で非常に重要だなと思うのです。
日本の生産効率性の悪さがテーマになりますが、海外で生活してみると日本人がいかに「ラスト20%のサービス」に人海戦術で踏み込んでいるのかがよくかわかります。
サービスを受ける側としては気持ちいいものですが、誰もがサービスを提供する側にもまわるわけですから大変です。
みんなで「80%で納得しようよ」ができれば楽になるのかもしれませんが、そこにこだわって生きてきて、成功体験を持っている人たちもいるので衝突は避けられませんね。日本の伝統的な美意識・仕事人の有るべき姿なのかもしれません。
翻って小学生の塾の現場でも、たった一度の「中学受験」という目標に向かって現状からのラスト20%アップに全てをかけようという空気になりがちです。残り80%の時間で重箱の隅から隅まで舐め回すような、よくいえば徹底した受験勉強をするのもありですが、たった一度の小学生の期間に出来ること、したいことを他にもできないかと考えることも重要です。2時間で勉強80点、さらに2時間で85点なら、その2時間で他分野で80点を得たほうが幅が広がるという考え方もあるはずです。
働き方改革は個人の生き方が問われている気がします。