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文章題が解けないのは、状況を図式化できていないから
算数の文章題が解けない子には、共通点があります。
『問題の状況を、絵や図として頭の中や手元に描き起こせていない』
文章題とは、文字通り「文章」によって「算数的なヒント」を与えている問題です。数の部分ではなく、文字の部分に決定的なヒントがあるのです。
文章題とは、文章を読んで、その中身を頭の中で場面として組み立て直す力を問うものです。誰が、何を、どう動かしているのか。それにより、適切な数式を組み立てることができたり、隠れていた制限や条件が浮かび上がってくるのです。「あげた、もらった」「ついた、出会った」といった日本語が表している状況をイメージする必要があるのです。
文章題が苦手な子は、ここが抜けています。文字は読めています。しかし、読んだ内容を「絵」に変換する作業をしていません。
近年の中学入試では、この「状況を正確に描き分けられるか」を問う出題が明らかに増えています。問題文の長文化がトレンドになっていますが、それは「ヒントを日本語で十分に与える」という出題方針の表れです。問題を難しくしているのではありません。むしろヒントの量が増えているのです。
なぜ「たくさん問題を解く」だけでは身につかないのか
多くの塾では、問題数をこなすことで読解力もついてくる、という前提でカリキュラムが組まれています。しかし数をこなして身につくのは、「これは前に見たあの型だ」と気づく力だけです。初めて見る状況を自分の手で組み立て直す力ではありません。
中学入試の算数のトレンドは、「見た目で類題だと気づかせない」問題です。数をこなすだけの勉強をしてきた受験生が「パッと見てどの類題かを判別して解く」ことが出来ないように設計しています。与えられた日本語を全てしっかり読んで、「何が起きているのか」を正確に理解し、図式化し、数式化する力です。
基礎的な要素自体は難しくありません。難しいのは、その基礎がいくつも巧妙に組み合わされ、一見すると初めて見る問題の姿で出題される点です。型の記憶量をいくら増やしても、初見の場面を描き起こす練習をしていなければ、この壁は越えられません。
克服には、「描き方」に絞り込んで意識的に練習すること
小学生の場合「図式化の効果」を理解していないことが多いので、解説をしても図の部分を軽視したり、「次は描くよ」「わかったから次は描けるよ」となってしまいがちです。
しかし、文章の中の情報を、何を線で表し、何を数字で置き、何を省略していいかを判断しながら抽象的な図に落とし込む作業は、訓練を要する技術です。
ですから「図式化までを問題にする」ことが効果的です。「図を使って解いてごらん」ではなく「状況を正しい図にしてみよう」という問題を与えることです。
旅人算なら誰をどちらに置き、速さと時間をどう線分に反映させるか。倍数算なら誰と誰の数字をどう並べて変化を追うか。こう言った問題の種類ごとの「描き方の型」はもちろんのこと、「同じものを揃える」や「時間差を表現する」などより抽象的で応用力のある「描く技術」というものが存在します。これは独学で数回描いたところで身につくものではなく、正しい描き方を繰り返し見せてもらい、自分でも描いて、直してもらう、という経験の積み重ねが必要です。さらに、質の良い「これでは間違えちゃうよね」という誤答例を分析する作業も必要です。
家庭での練習にも意味はありますが、「どう描けば情報が整理されるのか」というお手本と、描いたものへのフィードバックがなければ、我流のまま止まってしまうことも少なくありません。
実は高学年でも「正しい図式化」ができると、それだけで解説が終わってしまうことが少なくありません。それくらい「図式化」とは、文章題が求めている本質的な作業なのです。
ロジムの授業でしていること
ロジムの算数の授業では、答えを出す作業の前に、「この問題の状況を、絵でも図でも表でもいいから描いて表現する」という問題を設定します。さらに、ここで終わらせず、描いた図を見て、何が描けていて何が抜けているかを一つひとつ確認し、必要なら講師が描き方の型を見せて、もう一度自分の手で描き直させます。この往復を、問題の種類ごとに繰り返します。
描けなければ、どこにつまずいているかを分析して一緒に解決していきます。
こうした専門的な描き方の練習を積み重ねた経験が、初めて見る問題に出会ったときの底力になります。ロジムが「文章題の読解力」と呼んでいるものの半分は、この描く力のことです。
低学年のうちは「絵にする」ことだけに集中してもらう問題も用意しています。同じものを揃える。違いを表現するといった基礎から楽しんで身につけています。

一度、授業をのぞきに来てください
文章題が苦手というのは、才能や集中力の問題ではありません。状況を描きおこす、という具体的な技術の問題です。技術である以上、正しい練習を積めば必ず伸びていきます。
ロジムの授業で、実際にどう「描く」練習をしているか、一度見にいらしてください。

<算数の文章題が苦手なお子さんについて、よくいただくご質問>
- 文章題が苦手なのは、結局は読解力がないということですか?
- はい、読解力の一部が足りていない、という理解で合っています。ただし、その中身が誤解されがちです。語彙を知っている、文章の意味が分かる、という一般的な読解力だけではなく、「文章が表す状況や図式を読み取る力」が足りていないケースがほとんどです。国語の読解力が高い子でも、この力が弱いために算数の文章題でつまずくことは珍しくありません。
- 家庭で「図にしてごらん」と言ってしまいますが、これは逆効果ですか?
- 効果は薄いと考えてください。お子さん本人は「描き方」も「描く効果」も理解できていないので、何をどう描けばいいのか分からないまま終わってしまいます。
- 問題集を何周もさせているのに、初めて見る問題になると解けません。なぜですか?
- 「見たことのある問題」への対応力と、「初めて見る問題」に対応する力は、別の力だからです。パターンを繰り返し解く練習は、見覚えのある型を素早く判別する力を育てます。しかし中学入試の算数は、基礎的な要素がいくつも巧妙に組み合わさり、一見すると初めて見る問題の姿で出題されます。型の記憶量をどれだけ増やしても、初見の場面を自分の手で描き起こす練習をしていなければ、応用の壁を越えられません。
- 家庭でできる練習方法はありますか?
- 「絵か図に描いたら見せて」と一声かけることが有効です。つまり「描くところまで」を目的として練習することです。「描かなくても解ける」と思っていたり、模範解答も図式化のところを読み飛ばしてしまったりするものです。描いた図が合っているか、何が足りないかを見てあげられると理想的ですが、難しければ、まずは「描く」という行動そのものを習慣づけることを優先してください。
- 計算のスピードや正確さは平均以上なのですが、それでも文章題対策は必要ですか?
- むしろ、必要度が高いケースです。本人が「図の重要性」を軽視していて、対策が後回しにされがちです。しかし文章題でつまずく原因の多くは計算過程ではなく、その手前の「状況を描き起こす」段階にあります。計算という土台がすでにあるなら、描く力を鍛えるだけで得点が大きく伸びる可能性が高いお子さんとも言えます。
- ロジムの授業では、具体的にどう指導しているのですか?
- 答えや解き方を先に教えるのではなく、「この問題の状況を、絵でも図でも表でもいいから表現してみよう」というところから始めます。描いた図を確認し、何が抜けているかを一緒に見て、必要なら講師が描き方の型を見せて、もう一度自分の手で描き直させる。この往復を問題の種類ごとに繰り返します。「分からない」を「状況が描けていない」のか「描けたが計算でミスした」のかに分解してから指導するので、練習の的が絞られ、効率よく力がついていきます。低学年のクラスでは「絵にする」だけの問題も多数扱っています。



