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作文が苦手なのは、自由に書かせすぎているから
「作文が苦手」という生徒は少なくありません。
学校でも家庭でも、作文の指導は「自由に感じたことを書いてごらん」という声かけから始まることがほとんどです。何を書いてもいい、正解はない。生徒の自主性を尊重した、進歩的な指導に見えます。
しかし、この「自由に」が、実は多くの生徒にとって一番つらい指示です。真っ白な原稿用紙を前に、何から手をつければいいのかが分からず、鉛筆が止まってしまう。それを「発想力がない」「表現力がない」と片付けてしまうのは、生徒の側の問題ではありません。
「自由に書かせる」ことは、一見すると生徒の発想を尊重しているようで、実際には「何を考えればいいか」の手がかりを与えないまま放り出しているだけの指導です。むしろ、生徒が自分の頭で考えを組み立てる機会を奪ってしまっているのです。
「自由に書く」のは小説、「伝わるように書く」のが作文
自由に書くことと、伝わるように書くことは、同じ延長線上にはありません。
これは、友達とのおしゃべりと他人へのプレゼンすることの違いに近いかもしれません。友達とおしゃべりするのに「型」は要りません。自分のことを理解してもらいやすい相手に思ったことをそのまま口にすればそれなりに伝わります。しかし、人前で自分の考えを筋道立てて伝えるには、話す前に「何を、どの順で話すか」を組み立てる作業が必要になります。この組み立てを教わらないまま「自由に話していいよ」と言われても、多くの人はうまく話せません。
作文も同じです。感じたことを思いつくままに書き連ねる力と、自分の考えを相手に伝わる形に組み立てる力は、別のスキルです。後者は、才能ではなく、技術として教わり、練習しなければ身につきません。
作文は2つの視点を身につけるだけで劇的に上達します
作文が上達するのに必要なのはたった2つの技術です。

それは
- テーマを細かくする
- 意見 ー 理由 ー 具体例 という構成を理解する
です。
1つ目の細かいテーマを決める。というのは与えられた漠然としたテーマではなく、さらに自分なりに「書きやすいテーマ」にしていくということです。
例えば、読書感想文、つまり「感想を書け」というのは非常に漠然としています。それを
- 読んだ前後の自分の考えの変化
- この本を読んだことのない人にお勧めする理由
- この本の特徴的なポイントの解説
といった具合に細かくするです。このパターンをいくつか覚えておいて、これなら書けそうだというものに設定します。
2つ目の「意見ー理由ー具体例」という構成をを実践すると格段に読みやすい文章になります。読みにくい作文というのは、意見の次に、意見を書いて、2つ目の意見にのみ理由がついている。具体例が具体例だということを明示されずに、突然始まる。読みにくい、何が言いたいのかわからない作文はほぼ全てがこの落とし穴にはまっています。
1つ目のテーマを選ぶ際に「これなら書けそう」という視点は、これなら理由と具体例を書けそうという視点のことなので1つ目と2つ目を行ったり来たりしながらテーマと構成を考えるのです。
作文が苦手な子に必要なのは、たくさん書く練習ではありません。書く前に、何を、どの順番で書くかを組み立てる練習です。

つまり
・何について書くか
・その結論を支える理由と具体例は何か
この骨組みを、原稿用紙に向かう前に作る。これができていないまま書き始めると、途中で何を書いているか分からなくなったり、同じことを繰り返したりします。逆に、この骨組みさえできていれば、あとは骨組みに沿って言葉を当てはめていくだけなので、驚くほどスムーズに書けるようになります。
低学年のうちは、まず「結論」と「理由」を分けて考える練習から始めます。作文というと、いきなり文章を書かせたくなりますが、実際には「話の設計図を作る」段階に、最も時間をかけるべきなのです。
この先のレベルアップとして、論理性の向上があります。つまり理由と具体例が「もれなくダブりなく」になっていることなどです。個人の視点と社会の視点、立場の違う人の視点、短期的視点と長期的視点などを学び、理解していくことで、理由と具体例がより説得力のあるものへと進化していくのです。
ロジムの授業でしていること
ロジムの作文・論述講座「ロジカル・ライティング」では、原稿用紙に向かう前の「構成づくり」に、文章を書く時間と同じかそれ以上の時間をかけます。
何を伝えたいのか、その理由や具体例をどう並べるか。書く前にこの設計図を一緒に作り、添削も、出来上がった文章の言い回しではなく、この設計図の組み立て方に対して行います。文章の一部をあえて欠落させ、それを埋めるワークなど、考えを組み立てる力そのものを鍛える練習も取り入れています。
「自由に書いてごらん」ではなく、「何を、どの順で書くか、一緒に考えよう」というところから始める。これが、書くことへの苦手意識を「技術の問題」として解消していく、ロジムのアプローチです。
一度、授業をのぞきに来てください
作文が苦手というのは、感性や発想力の問題ではありません。書く前に考えを組み立てる、という具体的な技術の問題です。技術である以上、正しい練習を積めば必ず伸びていきます。
ロジムの授業で、実際にどう「組み立てる」練習をしているか、一度見にいらしてください。
作文が苦手な生徒について、よくいただくご質問(Q&A)
- 作文が苦手なのは、結局は語彙力や表現力がないということですか?
- 語彙力や表現力の不足が原因のケースもありますが、それ以前の問題であることがほとんどです。言葉は知っているのに、何をどの順で書けばいいかが決まっていないために、手が止まってしまいます。表現力を磨く前に、まず「何を伝えるか」を組み立てる力が必要です。
- 家庭で「自由に書いていいよ」と言ってしまいますが、これは逆効果ですか?
- 効果は薄いと考えてください。生徒本人は「何について、どの順で書けばいいか」が分からないまま原稿用紙に向かうことになり、自由という言葉が、かえって手がかりのなさとして重くのしかかります。
- 文章になると急にまとまりがなく、読みにくくなります。なぜですか?
- 箇条書きからのスタートです。頭の中で思いついた順ではなく、箇条書きで、「設定したテーマ」「テーマに対する自分の答え」「理由」「具体例」を、「だから」「なぜなら」「具体的には」で繋ぐだけで格段に読みやすくなります。風流な表現などを求めてはいけません。
- 読書量は多いのに、作文は苦手です。読む力と書く力は別ものですか?
- はい、別の力です。読む力は、すでに組み立てられた文章の構成を追いかけて理解する力です。書く力は、自分でゼロから構成を組み立てる力です。読書量が多い生徒でも、自分で組み立てる練習をしていなければ、書くことにはつながりません。
- 家庭でできる練習方法はありますか?
- 書き始める前に、「何をテーマにするか」「そのテーマに対する答えは何か」「その理由は何か」を一言ずつ、口頭で聞いてあげることが有効です。書く前にこの2つが本人の中で言葉になっていれば、原稿用紙に向かったときの負担が大きく減ります。いきなり文章全体の出来を評価するのではなく、パーツの書き出しと関係性を理解できているかを見てあげることを優先してください。
- ロジムの授業では、具体的にどう指導しているのですか?
- 文章を書かせる前に、何を伝えたいか、その理由や具体例をどう並べるかという構成を一緒に作るところから始めます。添削も、書き上がった文章の言い回しではなく、この構成の組み立て方に対して行います。文章の一部をあえて欠落させて埋めるワークなど、構成を組み立てる力そのものを鍛える練習も取り入れています。


