麻布中算数

先日の開成につづいて麻布を見てみます。

(全体として)
麻布といえば記述式ということで、ろくに算数の基礎トレーニングをしていない受験生が少なくないのは武蔵と同じ。2校とも記述式ですが、論理展開に数段階あるようなものはなく、計算ミスと数え上げミスを救ってくれる位でしょう。ロジムの生徒が「ほとんど出来た」という情報を聞いて「ほんとかよ」と思いましたが、今年は、流行の典型問題のオンパレードでした。1番と3番で点を稼ごうとした受験生は、そもそも勉強不足。

1番
出た!ロジムのテキストそのまま。このタイプは、割り算の筆算の「仕組み」、有名な倍数判定の「仕組み」をきちんと理解しておくこと、そしてまずは素因数分解。数年前の開成の1番(答えが1から10になる計算を作れ)ほどではないが、算数の苦手な生徒が飛びつきやすく、終戦を迎えやすい問題。開成の問題より数段頭を使ってきたかが問われる。

2番
今年で唯一心穏やかに解ける問題。ミスしたら終わり。

3番
1番に書いた開成の問題かよ!とつっこみました。本番では、怖くて飛ばせないはず。ペースを乱される問題ですね。

4番
出た!開智、桜陰の過去問と全く同じ問題。去年の筑駒でもありましたが、ある図形を別の図形に沿って移動させるのは流行ですよ。円の移動とロープのついた犬は廃れたかな。(西大和の屏風を動く問題は良問だと思いますが。)

5番
これ、試験2日前ぐらいに絶対忘れるな!と指導した気がする。ここ何年かずっとですが。正六角形に対角線を引くと、頭が一気に「分割」に傾いてしまうのですが、向かい合う辺が平行であることから普通の辺の比と面積比の問題として考えさせる問題。台形にバッテンが2つ重なっている典型問題が廃れて、こちらが上位校の流行です。誘導が丁寧なので、易しい。

(まとめ)
文系の学校だと思われがちですが、「計算」ではなく「数学」を学べる学校かなと思わせてくれる雰囲気は開成以上ではないでしょうか。1番と3番の両方並べているのはしつこいかも。

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