授業雑感 〜低学年からつけてほしい品詞への意識〜

授業からの雑感を一つ。
「作文」という言葉の意味は? と聞かれて、
「文を作る」と即答した方は要注意です。

国語のテキスト(予習シリーズ3年上)に
「言葉の使われ方に我々の考え方が反映される」といった内容の文章があります。
「『何』についての文章ですか?」
と聞くと、一番多い回答が「言葉」または「言葉について」というもの。
まったく問題ありません。
さて
「もっとくわしく教えて下さい。『何』についての文章ですか?」
と聞くと、
「言葉のおもしろさについて」
「言葉の曖昧さについて」
といった優秀な回答にまじって多いのが
「言葉がおもしろい」「言葉が曖昧だ」
という声。
おかしいのがわかりますか?
「何」かときいています。つまり「名詞」を聞いているのです。
それに対して、文で答えてしまう。

何が言いたいかと言えば、「品詞」の感覚を身につけて欲しいのです。
名詞での回答を問われているのか、そうでないのかをまず判断し、
名詞で聞かれてるならものの名前で答えるか、「〜こと」のかたちでこたえられる。

文章での回答を求められているのなら、主語述語をつかって何が何だと説明できる、
これは国語という枠を超えて、
「ルールに従った上でコミュニケーションする」
という社会生活の最低限基礎となる能力ですよね。

(余談ですが、上記のような品詞の理解、聞かれているルールの把握ができない生徒さんほど
「ルールや公式にしばられない、クリエイテリブな教育をうけたい」とおっしゃいます。
本末転倒にもほどがあるというのは、私のつぶやきとして、)

とにかく
品詞の意識、文の形の意識は、たしかに堅苦しい話ですが早いうちに徹底したいです。
ロジムの漢字テストでも、全問書き取り以外に意味を記述してもらっている目的はここにあります。

当たり前に使う言葉を品詞に注意して説明する。つまり言語化のトレーニングを一つの趣旨として行っています。

「作文」の意味は、「文をつくる」ではありません。「文をつくること」です。
気をつけて下さい。みなさんの記述回答は品詞に対する意識の欠落が散見されます。