
8bitnewsさんに取り上げられました!
5月3日、ジャーナリスト堀潤さんのYouTubeチャンネル「8bitnews」(https://www.youtube.com/@8bitnewsAsia)にて都立小石川ロケット班の緊急特番を設けられました!この記事ではその内容を会話形式で振り返ります!
初めてモデルロケットを手にした堀さんもモデルロケットの作りや軽さ、取り組みそのものに驚いている様子でした。


ロジムに7歳のころから通っていた橋本 龍之介くん。彼が率いる東京都立小石川中等教育学校モデルロケット班が、ロケット甲子園で優勝。今年6月には、フランス・パリで開催される世界大会に日本代表として出場します。
※モデルロケットって何?という方はこちらの記事もどうぞ
【モデルロケットとは?競技のルールと世界大会の仕組みを詳しく見る】
カメラの前で語ったモデルロケット作りの苦難

初期の頃を見るとまずまっすぐ上に上がるっていうこと自体が難しそうでしたし、ましてやパラシュート開いて、元に戻ってくる、これは大変な努力が必要だったんですよね?

そうですね。ちゃんとロケットをまっすぐ打ち上げるってことも当然難しいですし、そこからちゃんとパラシュートを綺麗に開いて安全にロケットを地面に持ってくることにかなり苦労したので。この時はちゃんと初めてパラシュートが開いた時でみんなめちゃくちゃ喜んでおります。

すごい伝わってきました。どんな気持ちでした?『よっしゃ』ってみんな言ってましたけど。

めちゃくちゃ嬉しかったですね。 その前にちゃんとパラシュートが開かず、何機体も墜落してたので。いろんな詰め方を工夫したりしてちゃんとパラシュートが開いたのでめちゃくちゃ嬉しかったです!
宇宙に興味を持ったきっかけについて

ロケットやりたい思ったきっかけを教えてください。

はい。元々結構小学生の時から宇宙好きで。いろいろロケットの打ち上げを実際に種子島で見たりして、ロケットを実際に自分で作ってみたいなと思ったのがきっかけです。

今種子島って話があったんですけど、大変貴重なものをお持ちいただきました。JAXAのエンブレムが記されたこちらの冊子なんですが中を開くと認定証とあります。「衛星のつばめを命名したのが愛称として選定されました」と書いてありますが、どういう経緯だったんですか?

当時、JAXAが人工衛星の名前を募集していて、僕が「つばめ」という名前で応募しました。その応募した中の1人になることができて、名付け親のその証書を貰いました。

つばめ認定証を手に取る堀さん

どうしてそこまで宇宙に魅せられるようになったんですか?

小学生の時から自由研究で、気象衛星のことを調べたり、いろいろなことに興味を持っていました。その後この衛星(つばめ)の名付け親になって実際に種子島に打ち上げを見に行ったことが、宇宙への憧れや、宇宙に関わることをしたいと思うきっかけになりました 。

当時、ロケットを実際に見てどうでしたか?

とてもすごかったですね。音厚がすごい。 3kmぐらい離れた場所から見て、その音の圧だったり、音の大きさであったりとか。すごい速度で宇宙へ向かってまっすぐ上がっていくのを見せられて。これが、宇宙への憧れを持った大きな転換点だったと思います。
モデルロケットとは?火薬エンジンに立ちはだかる壁
橋本くんが用意していたパワーポイントを元に説明を進めます。

そもそもモデルロケットとは?ということですが、モデルロケットとは点火式のエンジンで飛行する小型のロケットです。発射後、大体時速180kmぐらいまで加速します。これを自分達で作ってその大会に出るという活動をしています。

さっきの映像見てるだけでもすごい迫力ですし、煙も本格的に出ていたり、ロケットもスパーンってすごい速度で上がっていますね。
そして、モデルロケットとは切っても切り離せないあの課題の話に。

これ火薬が燃やされてるわけですけど、この火薬1つ手に入れるのも結構大変なんですよね?

そうなんですよね…火薬のエンジンが日本では生産されてなくて、アメリカから購入していて、材料を揃えるだけでもコストがかなりかかってしまいます。日本で打ち上げ実験をする際には、火薬の申請が必要で、実際に使用する場所の県の県庁に申請をしたり、火薬を輸入するにもいろんな許可が必要なので、様々なハードルがあります。たくさんの方にその手続きに関わってもらい今活動ができています。

中国、インド、アメリカ・・・いろんなプレイヤーがいて、我々は「日本ももっと頑張れ!」と言うけど、実はそこを頑張るためにはいろんなところにキャップがはめられているのですね。やっぱり規制であったりとか、環境面でアップデートできるものがあるんだというのを、龍之介さんの話を聞いてすごく想像ができました。
そういう制約がある中でも”いいものを作るんだ”という努力を皆さんがされてるんですね。
ロケット班の技術的成長とチーム体制

2022年2月にロケット班を立ち上げて、2022年5月に全国大会に初めて出場しました。当時は自分たちで機体を作るノウハウもありませんでした。コピー用紙を丸めただけの機体で大会に出場して、ちゃんと最下位を取りまして(笑)。全然結果が出なかったのですが、そこからいろいろな方のアドバイスだったり、ロケットの打ち上げ場所にお邪魔して、自分たちの機体のどういうところを改良したらいいのか、アドバイスをいただきました。2024年の5月には、ロケット甲子園という中高生向けの大会で初出場で初優勝を飾ることができました!

ロケットについては初心者だった皆さんが、自分たちで集まって活動を始めたんですよね?
大会には都立小石川だけでなく、さまざまな学校が参加していて、以前から継続して参加しているチームも多いと思います。そうした学校と比べると、ロケットに関する知識や経験にはどうしても差があったのではないでしょうか?

ロケットのパラシュートを開かせるにもノウハウが重要になります。パラシュートを開くのにも畳み方のコツもあります。そういったものを全く知らなかったので、ゴミ袋をとりあえず切ってみてパラシュートにしてみたり、いろいろな試行錯誤をして、今の形にたどりつくことができました。

チームみんなで、いろいろな知恵を出し合うんですか?それとも班長が、あなたはこれをやってください。これやってくださいっていう風に指示をするんですか?どんな体制で活動してきたのか知りたいです。

みんなそれぞれ役割があって、例えば、先端の尖ってる部分を印刷してひたすらやすりがけをする人がいたりします。それぞれの分野にそれぞれが特化することで、より自分の担当分野のエキスパートになっていくというた形で活動しています。


RikuriXの強み、来たる世界大会に向けて

競合チームと比べて、自分たちのどんな技術が最も優れていると感じていますか?
また、世界大会に向けてどのような目標を掲げ、どの分野の技術を特に磨こうとしているのでしょうか?

はい。日本はアメリカやイギリスと比べて、打ち上げを行う際に法律の規制が厳しく、費用も多くかかってしまうため、どうしても打ち上げ回数では勝負できません。
そこで、私たちは実際の打ち上げ以外の部分に注力しています。たとえば、パラシュートを校舎の屋上から落とす実験を行い、「高さ12mでこのくらいの結果なら、高度233mではこのくらいになるだろう」といった形で、数値を見積もるデータを集めています。
世界大会までにあと数回打ち上げの機会があるので、そこでもしっかりとデータを取り、本番に向けて精度を高めていきたいと思っています。

データ収集と解析っていうことが強みになっているということなんですね。
世界大会で闘うことになるライバルについてはどのような印象ですか?

やはり、アメリカが強いですね。
・アメリカは宇宙開発の分野で世界的にリードしており、技術や知見が豊富。
・ロケットエンジンを製造しているメーカーが国内にあるため、エンジンの入手が比較的容易。
・多くの学校にはアメフト用の広いグラウンドがあり、そこで機体を製作し、その場で打ち上げまで行える。
・・・といった、理想的な環境が整ってるので、そういった点ではアメリカがやっぱり有利だと感じています。

アメリカでは、国内予選に約1000チームもの中高生チームが参加しており、その中から上位30チームほどがワシントンに集まり、大会を行います。さらに、そこで優勝したたった1チームだけが、世界大会への出場権を得られる仕組みです。つまり、アメリカ代表になるには非常に高いハードルを越える必要があるのです。
そんな強豪チームに勝つのは簡単ではありません。私たちは、打ち上げ回数の面ではどうしても不利なので、それ以外の部分で勝負していくつもりです。たとえば、パラシュートの落下実験やシミュレーションを重ね、データをもとに機体の精度を高めていくことで、アメリカをはじめとした他のチームに勝ち、世界一を目指したいと思っています。
金銭面の苦労

世界大会出場にかかる費用ですが、大体パリの渡航費で大体1000 万円程度かかる見込みです・・・。
生徒12名+先生2名でいく予定で、1人あたり大体80万円程度かかってしまうのではないかと。

今、日本の円が随分安いですし、物価も高いですし、燃料費も重みますし、そういう中で1人当たりの額が必要だということですね。

そして、ロケット制作品・エンジン代が、合計で100 万円程度かかる見込みです。機体に使ってる3Dプリンターの値段や、あと木材を加工して機体の羽とかを作ってるんですけど、こういった機体のそれぞれの部分の材料をいろんな場所で購入しているので、機体のそもそもにかかる費用が高くなります。あとは、やっぱりエンジン代がかなりかかってしまいますね。

そこでクラウドファンディングの『うぶ声』っていうサイトで私たちはモデルロケットの開発費を募集してんいるのでもしこの話を聞いて寄付していただけると方がいたら是非よろしくお願いします。

法人の皆さまにも、ぜひご支援をお願いできればと思っています。現在、パリで開催される世界大会への渡航費として約950万円、ロケット制作およびエンジン費として約100万円を目標に、資金調達を進めています。
将来に向けて

龍之介さんは将来、宇宙関連の世界に引き続き飛び込んでいきたいと思っていますか?

はい。将来は、宇宙開発に関わる仕事に就けたらいいなと考えています。まだ具体的な職業までは決まっていませんが、宇宙に近い分野で働けるような道を目指したいと思っています。
最後に

なんか胸がいっぱいになりました。本当に皆さんの努力によって、僕らもいい夢を見せてもらってるなと感じています。応援してます!
最後には「いってらっしゃい!」と応援の気持ちを込めて送り出してくださいました。