
<本文の内容をQ&A形式で読みたい人はこちらへ>
「クラスが落ちた」というテスト結果を見て、頭が真っ白になったことのある保護者の方は少なくないと思います。しかし心配なのは、クラスが落ちたこと自体よりも、それをきっかけに子どもが勉強への意欲や自信をなくしてしまうことだと思います。
多くの子がクラス落ちで意欲を失いやすいのは保護者が、子どもを「結果(順位)」だけで評価しがちだからです。
少なくとも、子どもたちは「親ががっかりしている」「親が怒っている」と感じて、次に向かうどころか、恐怖で思考も身体も硬直しはじめるのが普通です。そしてさらに勉強の効率が下がっていく悪循環が始まるのです。
私が一貫して言い続けているのは、結果ではなく過程を評価するスキルを保護者が身につけるということです。結果に一喜一憂しないは当然のこと。普段から結果を褒めるな。過程を褒めろ。それだけで子供の粘り強さは変わります。そのためには保護者の演技力、対応力というスキルが求められます。
クラス落ちで子どもが追い詰められるのは、結果だけで評価されていると「感じる」から
大手集団塾の多くは、定期テストのたびにクラスが昇降する仕組みを取っています。この仕組みの中では、子どもの取り組み方や理解の深まりよりも、順位という結果だけが可視化されます。
「切磋琢磨すれば伸びる」という考え方は、長らく信じられてきました。しかし、これは幻想です。一学年300人の学校に合格し、6年間ずっと200番前後の位置にいるという現実を、平然と受け止め続けられる子はほとんどいません。
合格発表の日に褒められて以降、一度も勉強で褒められた記憶がないという中高生の方が多いくらいです。上位校と呼ばれる学校ほど、中位から下位の生徒の学習意欲の低下が大きい。順位という結果だけで評価される環境では、実力そのものは伸びていても、本人には「下がった」という感覚だけが残ります。その感覚は、やる気をどんどん蝕んでいきます。
「頑張ること」が怖くなるのも、周りが結果だけを見ているからです
出来ない状態そのものに耐えられなくなっている精神状態は、実力の伸びを妨げる最大の要因です。これは「心が弱い」と非難されるようなものではなく、生まれつきのものではありません。結果(順位)だけで評価され続けている周りの雰囲気によって、子どもたちが弱り、防衛状態になっているのです。あくまで「周りの接し方」が原因なのです
過程を評価するスキルのある大人だけが子供を伸ばせる

結果を褒めるな。過程を褒めろ。
それだけで子供の粘り強さは変わります。
これは長年、繰り返し言い続けてきたことです。
粘り強さとは、思うようにいかない結果が出たあとも、取り組みをやめない力のことです。クラス落ちは、まさに「思うようにいかない結果」の一つです。取り組み方を評価されてきた子は、クラス落ちのあとも机に向かい続けられます。結果だけを評価されてきた子は、クラス落ちのあとに「もうだめだ」と手を止めやすくなります。同じクラス落ちでも、その後に踏みとどまれるかどうかが変わるのは、このためです。
つまり、過程を評価して、過程こそが大事だと思い込ませることは、長い学びの中で最も重要な指導者スキルだと言えます。
クラス落ちという結果そのものを消すことはできません。しかし、結果を評価の対象にするのをやめ、そこに至るまでの取り組み方や粘り強さを評価の対象にすることはできます。
家庭に必要なのは、過程に目を向ける声かけスキルです
クラス落ちを報告する時の子どもたちは恐怖心でいっぱいです。「次頑張りなさい」そんな一言でも「突き放された」「がっかりされた」と感じます。
クラスが上がっても落ちても話題にしないこと。塾で学ぶような子どもたちは幼少の頃から「できる」経験の方が大きかった子達です。親を出来の良さで喜ばしてきたという記憶が残っています。だからこそ「結果」が親をがっかりさせるのではないか。自分は親を喜ばせない人間なのではないかと思うのです。そして思考と身体が硬直していくのです。
今からでも遅くありません。テストの結果を見た時にまず最初にクラスの昇降について触れるのをやめましょう。最初の一言で結果への評価を口にしないことが大切です。「なぜ落ちたと思う?」ではなく、「よし、直す課題が見つかった!」と親がまず前を向いて進みましょう。前者は結果を評価の対象にする問い詰めで、後者はテストを過程として活かす「声がけ」です。
明るく平然と。演技力も求められます。これは指導のための「スキル」なのです。是非お子様のために意識して身につけていただきたいのです。
ロジムは、過程を評価する仕組みを持っています
ロジムが大規模な昇降クラス制を採用していないのも、同じ理由からです。少人数での対話を基本にしているのは、順位という結果だけが可視化される状況を、なるべく作らないためでもあります。一人ひとりの生徒の取り組み方や変化は個別に記録し、本人と講師の双方で振り返るようにしています。
大規模集団塾の仕組みそのものを否定するつもりはありません。ただ、結果だけで評価され続けることがしんどいと感じているお子さんは、実際に少なくないと感じています。機会があれば、実際の授業の様子を一度見に来てください。
この記事に関するよくある質問
- クラス落ちで子どもの意欲が失われやすいのはなぜですか?
- 塾も家庭も、子どもを「結果(順位)」だけで評価しがちだからです。順位という結果だけを見ていると、実力そのものは伸びていても、本人には「下がった」という感覚だけが残ります。つまり「やったところで、周りをこんなにもがっかりさせる可能性がある」という恐ろしい戦場にいるかのような感覚です。当然逃げ出したくなるのです。
- 「結果ではなく過程を評価する」とは、具体的にどういうことですか?
- 結果を話題にするのではなく、そこに至るまでの取り組み方や粘り強さを褒めることです。「結果を褒めるな。過程を褒めろ。それだけで子供の粘り強さは変わる」というのが、長年言い続けてきたことです。粘り強さは、どんな結果になっても次のステップに必要なエンジンです。エンジンを動かし続けるためのエールを送り続けることです
- 過程を評価すると、なぜクラス落ちの後も踏みとどまれるのですか?
- 粘り強さとは、思うようにいかない結果が出たあとも取り組みをやめない力のことです。取り組み方を評価されてきた子は、クラス落ちのあとも「褒められた行動」として机に向かい続けられますが、結果だけを評価されてきた子は、「自分のやってきたこと」も自信がなくなるので、そこで手を止めやすくなります。
- 家庭では、具体的に何を変えればいいですか?
- テストの結果を見るときの最初の一言を変えてください。「なぜ落ちたと思う?」ではなく、「いつも頑張れているよね。次に何を頑張るのかを一緒に考えよう!」と声をかけることです。前者は結果を問い詰め、後者は過程を評価の対象にする対話です。
- ロジムはこの考え方をどう授業に反映していますか?
- 大規模な昇降クラス制を採用せず、少人数での対話を基本にすることで、順位という結果だけが可視化される状況をなるべく作らないようにしています。一人ひとりの取り組み方や変化は個別に記録し、本人と講師の双方で振り返っています。一人一人の達成感、自己肯定感を学びのエンジンとして育てていくことが全てであると考えています。



