中学受験の「ケアレスミス」を治す4つの分類方法

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「またケアレスミス!」
テストを見直していると、つい言いたくなります。
本人も、
「ちゃんと読めばできた」

「分かってたのに」
「ちょっと勘違いしただけ」
「これ、習ったことあった!」
と言います。
だから全部まとめて「ケアレスミス」。そして対策も、
「もっと注意しよう」
「問題をよく読もう」
「見直しをしよう」
になりがちです。
でも、私はここを一緒くたにしてはいけないと思っています。

同じ「本当はできたはずの問題」でも、そこで起きていることは全く別物だからです。
大きく4つに分けてみます。

問題文に、
「A:C=3:2」
と書いてあった。
でも、その条件を使わずに問題を解いて間違えた。

答え合わせをして、
「えっ! A:C=3:2って書いてあった!」


これは文字通りの見落としです。
必要な情報が、そもそも認識されていません。

こういう子には、「条件に線を引こう」「数字が出てきたら図に書き込もう」といった、情報を確実に拾うための仕組みが必要です。

社会の問題で「参議院」と書いてあるのに、「衆議院」だと思って考えていた。

算数の文章題で「兄」と「弟」を逆にして図を書き、そのまま計算を続けてしまった。

これは①とは違います。
見ていないのではありません。
見たものを別のものとして認識している。

しかも、一度「これは兄だ」「これは衆議院だ」と思い込むと、その前提のまま最後まで一生懸命考えてしまいます。
だから必要なのは、「もっとよく見ろ!」だけではありません。
「図を書いたら、問題文ともう一度照合する」「似た言葉が出てきたら、どっちなのか確認する」
など、自分の思い込みを疑うチェックが必要になります。

図形の問題に、「2直線は平行である」と書いてあった。
でも解けなかった。

解説を聞いて、「えっ、平行って書いてあるじゃん! だったらここ、同位角で等しいじゃん! それならできたよ!」

これも「ケアレスミス」と言われがちです。
でも、「平行」という文字自体は読んでいたのかもしれません。

問題は、
「平行」→「同位角・錯角が使える」
というつながりが、その場で起きなかったことです。

これは「もっと集中して読もう」という話とは違います。
「平行ときたら何が言える?」
「二等辺三角形と分かったら?」
「速さが一定なら?」
と、与えられた条件から何が言えるのかを考える習慣をつける必要があります。

そして最後が、少し厄介です。

解説を聞いて、
「あー、これ鶴亀算だったの?」
「それなら解けた!」
「鶴亀算はできるよ!」

となるケースです。
これを「ちょっと思い出せなかっただけ」と考えてはいけません。
実は、知識を忘れていたわけではないことが多いのです。

「鶴亀算はできる」のに、なぜ解けない?

たとえば、
「鶴と亀が合わせて20匹います」
と書かれていれば、鶴亀算だと分かる。
ところが問題が、
「50円切手と80円切手を合わせて20枚買いました」
になった途端、何算を使えばいいのか分からなくなる。
「これ、鶴亀算だよ」と言われた瞬間、
「あ! それならできる!」
となる。

足りないのは「知識」ではなく「類別する力」

では、何が足りなかったのでしょう。
「鶴亀算を知らない」のではありません。
「これが鶴亀算だ」と類別できなかったのです。

鶴と亀なのか、切手なのか、イスなのか、大人と子どもなのか。
表面に出てくるものが少し変わっただけで、別の問題に見えてしまう。
つまり、
「何が共通していれば鶴亀算なのか」
というポイントが頭の中に入っていないのです。
これは、言い換えれば抽象化ができていないということです。

「鶴と亀が出てきたら鶴亀算」ではなく、

  • 2種類のものがある
  • 合計の個数が分かっている
  • それぞれ1個あたりの量が違う
  • 全体の量も分かっている

という問題の骨組みをつかめていれば、切手になっても、イスになっても、「これは同じタイプだ」と判断できます。

解いたあとに「ポイント」を言葉にする

だから、このタイプの子に必要なのは「もう一度鶴亀算を復習しよう」だけではありません。
問題を解いたあとに、
「この問題は、何がポイントだった?」
「別の話に変わっても、何が同じならこの解き方が使える?」

と考えさせることです。
解き方を覚えるだけでなく、その解き方を使うべき問題を見分ける目印まで学ぶ。
ここまでできて、初めて知識が別の問題でも使えるようになります。

こうして並べてみると、
① 見なかった
② 見違えた
③ つながらなかった
④ 類別できなかった

は、全く別の現象です。
だから当然、声がけも対策も違います。

① 見なかった
「大事な条件をどうやったら拾えるかな?」

② 見違えた
「自分が最初に思ったこと、本当に合っているか確認した?」

③ つながらなかった
「その条件から何が言える?」

④ 類別できなかった
「この問題を○○算だと判断するポイントは何だった?」

同じ「ケアレスミス」でも、かける言葉が変わります。
ところが、全部を「ケアレスミス」という一つの箱に放り込んでしまうと、対策も全部、
「次から気をつけよう!」
になってしまいます。

これでは、いつまで経っても治りません。
見落とす子に必要な練習と、思い込む子に必要な練習と、条件を知識につなげられない子に必要な練習と、問題を抽象化して類別できない子に必要な練習は、全く違うからです。

大切なのは、間違えたときに、
「またケアレスミス!」
で終わらせるのではなく、
「今回のケアレスミスは、4つのうちどれ?」
と考えること。

ケアレスミスをなくす第一歩は、
「ケアレスミス」と一括りにしないこと。
「気をつけよう」を何度繰り返しても変わらないなら、まずはそのミスの正体を見つけるところから始めてみましょう。

子どもがケアレスミスをしても「気をつけよう」としか言えません。何を聞けばいいですか?
「今回はどのタイプ?」と聞いてください。見落とした/見間違えた・思い込んだ/つながらなかった/類別できなかった、の4つのどれかを親子で特定するだけで、次にかける言葉が変わります。
見直しをさせても同じミスを繰り返します。
「見直し」ではなく「照合」をさせてください。書いた図や出した答えを、もう一度問題文の条件と照らし合わせる。これだけで、思い込みによる見間違いは減っていきます。
解き方は知っているのに、初めて見るタイプの問題だと解けません。
「この問題のポイントは何だった?」と聞いてください。鶴亀算が切手やイスに変わっても使える骨組みを、解いたあとに毎回言葉にする。この一問一答を繰り返すだけで、類別する力がついていきます。
算数の条件を読み落として、最後まで気づかず解いてしまいます。
「数字が出てきたら図に書き込む」を徹底してください。見落としは注意力ではなく仕組みの問題なので、条件を拾う手順を先に固定してしまうのが一番早い対策です。