長い年月を経ても出題され続ける”レジェンド問題”を紹介します。多くは過去の入試問題であり、出題者から受験生への強いメッセージがこもった良問たちです。

下の図のように、1辺が5cmの正方形の画用紙に、半径5cmの四分円(円を4等分したもの)を書き、アとイの部分に分けました。
この画用紙に、でたらめに100個の砂の粒(大きさはどれも同じ)をまいたところ、アの中には22個、イの中には78個ありました。また、四分円の線の上には砂の粒はありませんでした。
これについて、次の問いに答えなさい。
(1) このことから、イの面積は何平方cmであるとわかりますか。
(2) このことからわかる円周率は、いくつですか。

↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓

広いほど、砂はたくさん入ります。よく見る「円周率を3.14とする」という記述がないことに要注意です。

(1) 19.5平方cm
(2) 3.12

まず、でたらめに100個の砂の粒をまいているので、これらは均等に散らばっていると考えることができます。
つまり、2倍の広さがあれば2倍の個数の砂が入るということですから、面積と砂の個数が比例することがわかります。
ここで、正方形の中の100個の砂の粒のうち、イの部分には78個入っているので、正方形の面積の78/100倍がイの面積になります。

また、このときの円周率を🔲とすると、下の式から🔲=3.12と求められます。

円周率の意味を考えずに「円周率=3.14ね」と暗記している生徒と、円周率のそもそもの意味を考えたことのある生徒をわける問題といえます。
円周率はよく3.14が用いられますが、これは本当の値ではありません。
円周率は無限に続く小数で、計算で扱うのが不便であることから、
近似値(近い値)として3.14を使っているにすぎないのです。
例えば、入試問題を見ても「円周率を3で計算しなさい」や「円周率を3.1とする」などがあるのはそのためです。
よく注意しましょう。