保護者・指導者の自立

以前サッカーの岡田監督が「サッカーの試合中にミスをすると監督の方をすぐに見てしまう子どもが多すぎる」という問題提起をしていました。

私は、子どもよりも指導する大人の方の意識改革が必要だと感じています。この話を何回か部活の指導者にぶつけたことがあるのですが、「そうなんですよ〜」と半ば嬉しそうな反応。指導者として、子どもたちが自分で考えるよりも指導者の元で動き続けることに満足感を覚えているという印象を受けることが少なくなかったのです。

話を塾に戻すと同じような保護者に会うことが少なくありません。本人に話しかけてもすぐに親の方を向いてしまう。それを指摘すると親は問題意識よりも嬉しそうなのです。

とある学校の説明会では「見学中に先生に話しかけられて、すぐにお母さんの顔を見てしまうような自立レベルでは困る」という発言がありました。定評のある学校だったので、しっかり受け止める保護者もいたかもしれません。しかし、逆の戦略で「子離れ出来ない親へのマーケィング」で人気を集めている学校もあります。そういう学校の入試当日、入場前の子どもたちの鞄を開けて中身を必死にチェックしている保護者とそれをぼーっと見ている子どもという姿をみるとマーケティングは成功しているんだなと苦笑いせざるをえません。

こういうタイプの保護者も指導者も「子どものため、生徒のため」と思い込んでいるものです。思い込んでいる方々には届かないかもしれませんが、少しでも「自立」への問題意識のある保護者・指導者でしたら是非「引いて見守る」という技術をしっかり身につける必要性を理解して欲しいと考えています。